人はなぜすぐ自分の話をしてしまうのか

私は私でオマエはオマエ

「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」

読了しました。以下ネタバレ注意。

 

読んでよかったと思います。

 

突然ですが私は大学生で親元を離れて一人暮らしをしています。オタクなうえ地方住みの遠征厨で,自宅と遠征先の中間に実家があるためしょっちゅう家に帰っているけど,長居はあまりできませんでした。行けてもちょっと外食位。まあ前置きはさておき,いろいろあってちょっと実家に居られることになり母と二人で書店に行きました。最近何にも買ってやれてないし本買ってあげるよと言われ,新刊コーナーをぶらぶらしてました。最近は本屋と言ってもアニメイト,買うものはBL本の生粋の腐女子なもんで,最近実写化された本や話題の本,タイトルは知ってるけどっていうまあ今読みたいと思うようなものに巡り合えず,店内をうろちょろして,タイトルに惹かれてしまいました「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。タイトルだけ見てあ~ほしいな,話のタネになるなみたいな。でも母に買ってもらうにはきついなって。知り合いと偶然会ってだべってる母を横目にこれではない本を選び,買ってもらいその場を立ち去りました。車に戻り,タイトルを調べて即ネットで買いました。携帯の継続特典のポイントが残っててちょっと安く買えた~なんて思って,実家を後にして自宅に戻りました。WEBでも読めるらしいけど私は電子と紙だったら紙のが欲しいタイプで,さらにWEBで読んでしまったら紙買わなくてもいいかあって思ってしまうので紙で買いました。どうでもいいか。

 

届いてまあぶっちゃけていうと就活の面接のネタになんだろって思いがあって就活やだな~って思いが先行して一週間くらい読みませんでした。綺麗な表紙だなあって一週間持ち歩いて,やっと今日読みました。

 

一言でいうと,「恐怖」。知らなかったことを知ってしまった。いや,知っていたけど自分には関係ないと思っていたし,そりゃ腐女子だからパンピよりは知ってると思うけど。もちろんホモが差別用語なのも知っていたし,だからこそ母親の前で買えなかったのもある。

 

読んでみて感じたこと。それは自分が当事者じゃないことの何と怖いことか。私は腐女子だから同性愛に偏見がないと思ってた。この本を読んだから気付いたわけじゃありません。去年位にバイトしてて男の子ふたりがこんどうさんをかごに入れてて,私はそれをレジで売って,すごくドキドキしたことがありました。これは終わったらついったーでつぶやこうって一瞬頭をよぎったんだけど,それより手汗。めっちゃ手汗出るし声震えたし,家に何百ってBL漫画あるのに,身近にいるなんてまったく全然考えてもいなかった。私は多分異性愛者で,周りの人も多分異性愛者しかいなくて,じゃあ多分ってなんだ??って思ったわけ。私は男の人との性交に人並に興味はあるけど,それと同じくらい同性との性交にも興味がある。機会があったらやっちゃうかもしれない。もしかしたら私の友達も私に言わないだけで同性が好きだったり同性も異性も好きにならないひとかもしれない。そんなことを考えて,考えて,バイト終わってからも考えて,眠れなくなってしまったことがある。なんで私はあのとき,手が震えて声が震えていつもだったら完璧に出来る営業スマイルが引きつってしまったのだろうか,と今でも考えるときがある。

 

それがこの本を読んでなんとなくわかった。私は私が理解し易い様に現実の世界から同性愛者って存在を認めているようで認めていなかったのだ。

 

私は好きになった人が同性愛者だなんて考えたことないし,母とか父が同性愛者かもしれないなんて考えたことない。だって私の中ではありえないことだから。でもありえるんですよね。認めるというより,自由にするって方が私の中で理解し易いです。同性愛も存在すると認めるなんて異性愛者絶対立場上ですよね。まあ立場が上だと思ってる人がいるから偏見があるし生きづらいのでしょう。まあそれはおいておいて。考え方を,生き方を自由にする。私はあなたを決めつけないし,あなたは私を決めつけない。レッテルを貼らない真っ白な選択をすることが私はしたいなと思います。それは世界を広くするとともに,見ていなかったものを強制的に視界に入れる恐怖とも隣り合わせなんだろうなと思います。誰も彼も疑ってかかるのは疲れてしまうけど,これからは考えていこうと思います。

 

生きることを決めるのも死ぬことを決めるのも,結局誰なのでしょうか。もしかしたら私は腐女子の神様と百合男子の神様が話し合って生まれてきたのかもしれない。そんなことを思いました。

 

 

全然内容の感想がなくて内容がないようという感じなのですが,どんなことであれ,死ぬのは悲しいと思います。でも多分私がマイノリティだと常に感じて生きてきていないから軽々しく言えるのだとも思います。死にたいと思ったことがないというのは嘘だけど,本当に死ぬと決意したことはありません。悲しかったなあ。死んでほしくなかったなあ。幸せになってほしかった。あのシーンは涙が止まりませんでした。純くんにも,三浦さんにもすごく幸せになってほしい。あの世界で幸せになってほしくない人なんか一人もいなくて,こんなに人の人には言えない気持ちとか,世界から置き去りにされがちな事実とか,書かれていることは綺麗な事ばかりではないのに,なんでこの世界はこんなにきれいなんだろうなあって思います。生きている人ってみんな綺麗なんですかね。そうだといいですね。

 

 

 

本当,何でこんないい作品なのにTLの誰も教えてくれなかったんだって思う作品で,TLでも宣伝したけど読んでる人がいなかったためネタバレも出来ず,発散しきれなくて初めてブログ書いたけど,まったく読み返したくない文章ができました。本当はブログ書いてる時間も本を読んでる時間もあんまりないんですが書いてよかったなって思います。涙が出て止まらなくて,赤ちゃんみたいに嗚咽して,人生最高の涙袋が完成したので盛れてるという概念とこの本を胸にこれからも生きていきたいと思います。

 

 

最後に,読み終わった後に表紙を見返してみたんですが,三浦さんらしき人は純くんらしき人を見つめていて,その純くんらしき人は違う方向,もしかしたら海か,ペンギンかなにか別のものを見てますよね。それだけで結構涙腺に来たのでここまでにします。